Gitは現場でのチーム開発に欠かせないバージョン管理ツールです。しかし、「clone」「commit」「push」だけでは、複雑な開発現場では対応しきれない場面も多くあります。この記事では、中級以上のエンジニアが実務でよく使うGitコマンド10選と、それぞれの活用シーンを紹介します。
- ✅ この記事でわかること
- 1. git stash|一時的に変更を退避したいとき
- 2. git cherry-pick|特定のコミットだけを取り込みたいとき
- 3. git reflog|「やばい!ブランチ消した!」ときの復元手段
- 4. git reset --soft/--hard|コミット履歴を整理したいとき
- 5. git bisect|バグの原因をコミット単位で特定したいとき
- 6. git log --graph|履歴を視覚的に把握したいとき
- 7. git tag|バージョンを管理したいとき
- 8. git blame|誰がいつどの行を書いたか知りたいとき
- 9. git clean -fd|不要なファイルを一気に削除したいとき
- 10. git merge --no-ff|履歴を明示的に残したいとき
- 🎯 実務で使える組み合わせTips
- まとめ:Gitは“覚えゲー”じゃない、使ってなんぼ
- おすすめ
✅ この記事でわかること
- 実務で便利なGitコマンド10選
- 各コマンドが活きる具体的なシーン
- チーム開発やトラブル時に使えるテクニック
1. git stash|一時的に変更を退避したいとき
活用シーン
急なバグ対応などで、作業途中の変更を退避したいときに便利。
git stash
作業を中断して別のブランチに切り替えた後、以下で復元:
git stash pop
2. git cherry-pick|特定のコミットだけを取り込みたいとき
活用シーン
Aブランチで修正した1コミットだけを、Bブランチにも反映したいとき。
git cherry-pick <コミットID>
3. git reflog|「やばい!ブランチ消した!」ときの復元手段
活用シーン
リセットや削除の後でも、過去のHEAD履歴を確認・復旧できる。
git reflog
誤って消したブランチのHEADを見つけて復活できます。
4. git reset --soft/--hard|コミット履歴を整理したいとき
活用シーン
直前のコミットをやり直したいときに活躍。
git reset --soft HEAD^ # コミットだけ取り消し、変更は残す
git reset --hard HEAD^ # 完全に巻き戻す(注意!)
5. git bisect|バグの原因をコミット単位で特定したいとき
活用シーン
「いつからバグってた?」を効率的に調査するツール。
git bisect start
git bisect bad
git bisect good <コミットID>
Gitが自動で範囲を絞ってくれます。
6. git log --graph|履歴を視覚的に把握したいとき
活用シーン
ブランチの分岐やマージの履歴を確認したいときに便利。
git log --oneline --graph --all
履歴の流れを視覚的に確認できます。
7. git tag|バージョンを管理したいとき
活用シーン
リリース時に「v1.0.0」などのタグをつけておくと管理しやすくなる。
git tag v1.0.0
git push origin v1.0.0
8. git blame|誰がいつどの行を書いたか知りたいとき
活用シーン
コードの特定の行が誰によって、いつ変更されたかを調査。
git blame ファイル名
「なぜこんな処理になっているのか?」を辿るのに有用。
9. git clean -fd|不要なファイルを一気に削除したいとき
活用シーン
Git管理外のファイル(ビルド生成物など)を削除。
git clean -fd
※削除対象を事前に確認したい場合は -n
オプションで:
git clean -fdn
10. git merge --no-ff|履歴を明示的に残したいとき
活用シーン
マージコミットを強制的に作ることで、履歴が明確になる。
git merge --no-ff feature-branch
🎯 実務で使える組み合わせTips
stash
→checkout
→cherry-pick
:緊急対応で部分的に変更を抽出したいとき。reflog
+reset
:うっかりやらかしたときの最後の手段。bisect
+blame
:原因調査で深掘りしたいとき。
まとめ:Gitは“覚えゲー”じゃない、使ってなんぼ
Gitは難しく見えて、実際に触ってこそ理解が深まるツールです。今回紹介した10コマンドは、どれも実務でのトラブル対応やチーム開発に役立つものばかり。ぜひ日々の開発で使いこなし、自分の武器にしてください。