― /etc・/usr・/var の役割を正しく押さえよう ―
Linuxを使い始めると、/etc や /usr、/var といったディレクトリが突然現れ、「どこに何が入っているのか分からない」と戸惑う方は多いでしょう。
しかし、Linuxのファイルシステム構造は明確な設計思想に基づいており、各ディレクトリの役割を理解すれば、
- 設定変更
- ログ調査
- サーバー障害対応
- アプリケーション配置
が格段に分かりやすくなります。
本記事では、Linuxファイルシステムの中でも特に重要な /etc・/usr・/var の役割を、初心者向けに分かりやすく解説します。
Linuxのファイルシステムは「用途別」に整理されている
Linuxでは、すべてのファイルが /(ルートディレクトリ)を起点に配置されます。
Windowsのようなドライブレター(C: や D:)は基本的に存在せず、「用途ごとにディレクトリを分ける」 という思想で設計されています。
その中でも今回解説する3つは、運用・管理で必ず触れる重要ディレクトリです。
/etc:システム全体の設定ファイル置き場
/etc の役割
/etc は、システムやサービスの設定ファイルを格納するディレクトリです。
- OS全体の設定
- 各種サービス(SSH、Apache、Nginxなど)の設定
- ユーザーやネットワーク関連の設定
といった「テキスト形式の設定ファイル」が集約されています。
よく見る /etc 配下の例
| ファイル / ディレクトリ | 内容 |
|---|---|
/etc/passwd | ユーザー情報 |
/etc/group | グループ情報 |
/etc/hostname | ホスト名 |
/etc/ssh/sshd_config | SSHサーバー設定 |
/etc/nginx/ | Nginxの設定ディレクトリ |
実務でのポイント
/etc配下は基本的に手動編集する場所- 設定変更前には必ずバックアップを取る
cp sshd_config sshd_config.bak - パッケージ更新で上書きされない設計になっている
/usr:プログラムやライブラリを置く場所
/usr の役割
/usr は、ユーザーが利用するアプリケーションやライブラリを配置するディレクトリです。
かつては「ユーザーのホーム」という意味でしたが、現在では
「システム標準のプログラム置き場」 という位置付けになっています。
/usr 配下の主要ディレクトリ
| ディレクトリ | 内容 |
|---|---|
/usr/bin | 一般ユーザー向けコマンド |
/usr/sbin | 管理系コマンド |
/usr/lib | ライブラリ |
/usr/share | マニュアル・設定テンプレート等 |
例
which python
# /usr/bin/python
実務でのポイント
- OSやパッケージマネージャ(apt / dnf 等)が管理
- 原則として直接編集・削除しない
- 独自アプリは
/usr/local配下に置くのが慣例
/var:頻繁に変化するデータの保管場所
/var の役割
/var は、動的に変化するデータを格納するためのディレクトリです。
- ログ
- キャッシュ
- メール
- 一時ファイル
- Webアプリのデータ
など、「サイズが増減するデータ」が集約されます。
よく使う /var 配下の例
| ディレクトリ | 内容 |
|---|---|
/var/log | 各種ログ |
/var/www | Webコンテンツ |
/var/spool | メール・ジョブ管理 |
/var/cache | キャッシュ |
例
ls /var/log
実務でのポイント
- ディスクフルの原因になりやすい
- ログローテーション(logrotate)が重要
- トラブルシュート時はまず
/var/logを確認
/etc・/usr・/var の違いを整理すると
| ディレクトリ | 主な用途 | 変更頻度 |
|---|---|---|
/etc | 設定ファイル | 手動で変更 |
/usr | プログラム・ライブラリ | ほぼ固定 |
/var | ログ・動的データ | 頻繁に変化 |
この区別を理解しておくと、
「設定はどこを見ればいいのか」
「ログはどこに出力されるのか」
が直感的に分かるようになります。
まとめ
Linuxのファイルシステムは、一見すると複雑ですが、
/etc:設定/usr:プログラム/var:変化するデータ
という役割分担を押さえるだけで、一気に理解が進みます。
Linux操作やサーバー管理を行う上で、これは避けて通れない基礎知識です。
ぜひ実際に ls や cat コマンドを使いながら、ディレクトリ構造を確認してみてください。

