【実務力を底上げ】VBAで設計書ベースのシステムを構築する考え方と手順

業務の現場で使われるVBAツールやマクロには、往々にして「個人作業でなんとなく作られた属人化ツール」が存在します。しかし、それでは保守性も拡張性も限界があります。

本記事では、「設計書に基づいたVBAシステム構築」をテーマに、設計から実装、テスト、納品までの基本フローを解説します。属人化から脱却し、再利用性・共有性の高いツール開発力を身につけましょう。


✅ なぜ“設計書ベース”が必要なのか?

● 属人化のリスクを回避

  • 作った本人にしかわからないロジック
  • コメントがない or 設計思想が不明
  • 修正に時間がかかる

設計書を使うことで、ロジックの見える化・ドキュメント化が実現され、第三者でも内容を把握しやすくなります。


✅ 設計書ベース開発の全体像

フェーズ内容
1. 要件定義ユーザーと目的・機能・入出力を明確にする
2. 基本設計処理フロー図、画面レイアウト、ファイル構造などを定義
3. 詳細設計各モジュールの処理詳細、変数、関数などを設計
4. 実装(VBA)設計に基づいてコーディング
5. 単体テスト/結合テストテスト仕様書を元に動作確認
6. 納品/運用ユーザーへの引き渡しとマニュアル整備

✅ 実例:在庫管理ツールの設計書→VBA実装

● 要件定義(例)

  • 入力:商品ID・数量・入出庫種別
  • 処理:在庫数の増減
  • 出力:最新在庫一覧表

● 基本設計(例)

  • 入力シート:「入力フォーム」
  • 出力シート:「在庫一覧」
  • ロジック:Select Case で入庫/出庫を分岐

● 詳細設計(抜粋)

' 入力処理
Sub RegisterInventory()
Dim itemId As String
Dim qty As Long
Dim type As String

itemId = Sheets("入力フォーム").Range("B2").Value
qty = Sheets("入力フォーム").Range("B3").Value
type = Sheets("入力フォーム").Range("B4").Value

Call UpdateStock(itemId, qty, type)
End Sub

✅ 設計書をドキュメント化するコツ

  • ファイル構成図:各シートの役割を図に
  • 処理フロー図:業務フローとの対応を意識
  • 関数仕様書:引数・戻り値・役割を明記
  • エラーハンドリング一覧:予期されるエラーと対処法

📌 Excel+Wordで作成することも多いが、PowerPointの図で補足するとより理解されやすい


✅ 保守性・引き継ぎを意識した書き方

  • 変数名は意味を持たせる(itemId, totalStockなど)
  • 処理を関数化して分離する
  • 「誰が見てもわかる」コメントを入れる

✅ 実務での応用ポイント

  • 「○○部門用」「△△月版」などバージョン管理を意識する
  • 設計書とコードの整合性を保つ
  • 修正時は設計書も更新する運用ルールを設ける

✅ まとめ:設計ベースで作るVBAは、仕事の質を高める

VBAは手軽な自動化ツールですが、設計という一手間を加えることで「再利用可能なシステム」に変貌します。

属人化ツールを“誰でも保守できる資産”に昇華させるためにも、設計ベース開発を習慣にしていきましょう。


📝 関連記事

\業務効率化ツール、まだ手探りで作っていませんか?/
→ 設計ベースで作れる実力が、キャリアを変える武器になります。
今のスキルで市場価値を測る → 【無料スキル診断ツール】はこちら
実力を活かして年収UPを目指す → 【ハイクラス転職ナビ】を見てみる

タイトルとURLをコピーしました