はじめに|実務経験=最強の武器になる
転職活動で年収交渉の材料にできる最強の武器──それは、あなたが現場で培った実務スキルです。ただし、それをただ「やってきました」と履歴書に書くだけでは不十分。ポートフォリオという“形”に落とし込むことで初めて説得力を持ちます。
本記事では、エンジニアの転職活動で高評価を得るために、実務で使った技術をどうポートフォリオに落とし込むかを、具体例とともに解説します。
1. なぜポートフォリオが「年収交渉」に直結するのか?
✅ 転職市場は「再現性」を評価する
採用側が見ているのは「この人がうちに来たら、すぐに活躍できるか?」です。ポートフォリオに以下のような情報があれば、即戦力としての再現性を証明できます。
- 技術的に何を使ったか(例:Java+Spring Boot、Python+GAS など)
- どんな業務課題をどう解決したか
- 成果(改善率や業務時間の短縮など)
✅ 自己アピールが数字とストーリーで伝えられる
面接や書類選考での「自己PR」は抽象的になりがちですが、ポートフォリオがあれば…
「この自動レポート作成ツールで、週8時間かかっていた業務を自動化しました」
のように、具体的な成果でアピールが可能になります。
2. 実務経験をポートフォリオ化する5ステップ
Step 1.「業務内容」を棚卸しする
まずは過去に携わった案件やプロジェクトを洗い出し、「どんな技術を、どんな課題に対して、どう使ったか」を整理しましょう。
項目 | 内容例 |
---|---|
使用技術 | Python(pandas)、VBA、Selenium |
対象業務 | 月次レポートの作成 |
課題 | 手作業による転記・集計に時間がかかっていた |
解決策 | データ自動取得スクリプトを作成し、作業時間を約80%削減 |
Step 2. 実務プロジェクトを「公開可能」な形に再構成
社外秘のデータや画面をそのまま公開するのはNGです。以下のような方法で再構成しましょう。
- 実データを架空データに差し替える
- 同じ仕組みで汎用的に再現できるコードを作る
- 画面や機能を一部だけデモとして再構築する
👉 ポイント:あくまで「業務課題 × 技術解決」の構図を残す
Step 3. 技術スタックや構成を図解・テキストで明示
ポートフォリオに「技術的な構成図」「実装言語やライブラリ」を含めましょう。たとえば
- 使用言語:Python 3.10
- ライブラリ:pandas, openpyxl, requests
- 構成:GoogleスプレッドシートAPI → データ取得 → Excel自動生成
図解例(シンプルな構成図)
[業務DB] → [Pythonスクリプト] → [Excelレポート生成] → [メール送信]
Step 4. GitHub・Notion・スライドなどで「見せ方」にこだわる
ポートフォリオは見せ方も重要。以下のツールで整理すると印象が良くなります。
- GitHub(コードとREADME)
- Notion(構成・背景・成果をまとめる)
- Googleスライド(プロジェクト説明資料)
- PDFポートフォリオ(提出用にPDF化)
👉 READMEには「背景・課題・成果」をストーリーで書くのがベスト
Step 5. 面接・年収交渉時に「資料」として活用
完成したポートフォリオは、以下の場面で活用できます。
- 職務経歴書の補足資料
- 面接での説明時(画面共有やURL提示)
- 年収交渉時の材料として提示(価値を可視化)
例:「この業務改善でコストを年間100万円以上削減した実績があります」
3. よくあるQ&A
Q. 公開できない業務内容しかない…
A. 似た構造のデモアプリを再現しましょう。技術的な解決手段を見せられればOKです。
Q. チーム開発だった場合は?
A. 「自分の担当範囲」を明記すればOK。「設計〜実装」「自動化スクリプトの作成担当」など。
Q. 非エンジニア的な業務もあるが載せてもいい?
A. 載せてOKです。逆に“業務全体を見たうえでの技術活用”はプラス評価になります。
まとめ|ポートフォリオ=「あなたの市場価値の可視化」
実務経験をそのままにせず、ポートフォリオという形にしておくことで、
- 年収交渉に根拠を持てる
- 自分の強みが明確になる
- 書類選考・面接で有利になる
という好循環が生まれます。
「ただの経験」を「評価される実績」に変えるために、今日からポートフォリオを作り始めましょう。