業務改善や意思決定の根拠として注目されるデータ分析。
Excelでは限界を感じてきたあなたにこそおすすめなのが、Pythonによるデータ分析と可視化です。
この記事では、Pythonを使って業務データを読み込み、分析・グラフ化するまでの基本ステップを解説します。
初学者でも実践できるよう、具体例とサンプルコードを交えて紹介します。
✅ この記事でわかること
- Pythonでデータ分析を始めるための環境構築
- pandasでCSVデータを読み込む方法
- 基本的な集計・統計処理
- matplotlib・seabornでの可視化手法
- 業務に活かせる分析アイデア
1. Pythonでのデータ分析とは?
Pythonは世界中のデータサイエンティストに使われている、データ処理に強いプログラミング言語です。
次のような分析が得意です
- 売上やアクセス数などの時系列データ分析
- 顧客属性や商品データの傾向分析
- KPIのダッシュボード化やレポート自動作成
Pythonを使えば、「定型分析の自動化」「グラフの一括生成」「大量データ処理」など、Excelでは難しい処理が簡単に行えます。
2. データ分析の基本ステップ
Pythonによるデータ分析は、以下のステップで進めます。
ステップ | 内容 |
---|---|
1. データの読み込み | CSVやExcelなどの外部データを読み込む |
2. データの前処理 | 欠損値の処理・不要列の削除・型変換など |
3. 集計・加工 | グループ化・統計量計算・フィルタ処理など |
4. 可視化 | グラフで傾向やパターンを見つける |
5. 考察・レポート化 | 業務上の課題・改善案の検討 |
3. 実践:CSVを読み込んで分析してみよう
ここでは「売上データ(sales.csv)」を例に、簡単な分析を行います。
■ データ例(sales.csv)
date | product | amount |
---|---|---|
2025-07-01 | A | 10000 |
2025-07-01 | B | 8000 |
2025-07-02 | A | 12000 |
… | … | … |
■ ステップ1:データの読み込み
import pandas as pd
df = pd.read_csv('sales.csv')
print(df.head())
■ ステップ2:日別の売上合計を集計
daily_sales = df.groupby('date')['amount'].sum().reset_index()
print(daily_sales)
■ ステップ3:可視化(折れ線グラフ)
import matplotlib.pyplot as plt
plt.plot(daily_sales['date'], daily_sales['amount'])
plt.xticks(rotation=45)
plt.title('日別売上推移')
plt.xlabel('日付')
plt.ylabel('売上金額')
plt.tight_layout()
plt.show()
4. よく使う可視化パターン
グラフ種類 | 用途例 | ライブラリ |
---|---|---|
折れ線グラフ | 売上やアクセスの推移 | matplotlib |
棒グラフ | 商品別・部門別の比較 | seaborn, pandas |
円グラフ | 構成比の視覚化 | matplotlib |
ヒートマップ | 相関や密度の視覚化 | seaborn |
ボックスプロット | 値の分布や異常値の発見 | seaborn |
5. 業務データに活かせる分析アイデア
業務シーン | 分析アイデア例 |
---|---|
営業レポート | 顧客別・商品別の売上ランキング、月次推移 |
ECサイト管理 | アクセス数と購入率の相関分析、商品別CVRの可視化 |
経理・会計 | 支出のカテゴリ別割合、月別の収支変動 |
サポート対応分析 | 問い合わせ件数の時間帯別分析、タグ別件数の推移 |
6. まとめ:まずは一歩ずつ、身近な業務から
Pythonでのデータ分析は、初めは難しく見えても、パターンを覚えると非常に強力な武器になります。
特に以下のような方にはおすすめです
- 毎月、定型のExcel集計に時間を取られている
- 分析を自動化したいが、どう始めればよいかわからない
- データドリブンな提案をして社内で一歩リードしたい
まずは、身近なCSVファイルから手を動かしてみましょう!