2025年は「生成AIの本格実装」「プラットフォームエンジニアリングの定着」「クラウド×セキュリティ規制対応の強化」が同時進行で進む年です。この記事では、いま学べば転職で優位に立ちやすいスキルを、根拠データと合わせて職種別に整理し、90日で戦える学習ロードマップまで落とし込みます。
1. 2025年の“波”を読む:何が起きているのか
- 生成AIの実運用フェーズへ
企業はコーディング支援からAIエージェントや合成データの活用へと踏み込み、開発・運用の生産性とリスク管理を同時に追求。組織側はAIリテラシーやAIガバナンスを要件化し始めています。 TechRadar - Gartnerが示す2025年の重点トレンド
Agentic AI/AIガバナンス/ポスト量子暗号/ディスインフォメーション対策/エネルギー効率計算/空間コンピューティングなど、開発現場から経営・法務まで跨ぐテーマが主役に。 ガートナー - 開発技術の現実解
言語ではJavaScript・Python・SQLが依然強く、DBはPostgreSQLが“最も利用される”座を維持。Rustは最も“好まれる”言語として存在感を高めています。 Stack Overflow+1スタックオーバーフロー ブログ - 規制対応の重要度が急上昇
EU AI Actは2024/08/02に施行、2025/02/02から禁止用途の適用開始、2025/05/02までに実務の行動規範整備など実装準備が加速。NIS2は2024/10/17までに各国法制化済みで、エッセンシャル企業は実運用が前提に。準拠可能なクラウド・セキュリティ実装スキルが求められます。 欧州議会IAPPデジタル戦略nis-2-directive.compuppet.comCyberUpgrade – - 日本の人材需給ギャップは拡大
DXを推進する人材(ビジネスアーキテクト/データサイエンティスト等)の不足が深刻化。転職市場では「DXを成果に落とせる実務者」の価値が上がっています。 IPA+1
2. 転職に強い“職種×スキル”マップ(2025年版)
A. ソフトウェアエンジニア(アプリ/バックエンド)
- 必須:Python / Java、SQL、GitHub Actions、Docker、Kubernetes、PostgreSQL
- 優位性が出る:TypeScript+React、Rust(高パフォーマンス領域)、gRPC、OpenTelemetry、AIコーディング支援のプロンプト設計
- 評価される経験:プラットフォーム(IDP)利用・内製化、SLO設計とエラーバジェット運用、コスト可視化(FinOps)
根拠:PostgreSQLの人気、Rustの高好感度、プラットフォームエンジニアリングの定着。 Stack Overflow+1platformengineering.orgDevOps Conference & Camps
B. MLOps/LLMOps/データエンジニア
- 必須:Python、DBT/Airflow、Spark/DuckDB、Feature Store、Embedding基礎、評価指標(RAG評価など)
- 優位性:合成データ生成、ベクトルDB(pgvector/FAISS/Weaviate)、モデル監視(ドリフト検知)、AIガバナンス(データ来歴・利用制御)
根拠:AIエージェントと合成データの活用拡大、AIガバナンス要求の顕在化。 TechRadar
C. セキュリティエンジニア(クラウド/アプリ/レグテック)
- 必須:クラウドネイティブセキュリティ(CSPM/CWPP)、ZTA、SBOM、SAST/DAST、OIDC/OAuth2
- 優位性:NIS2準拠設計、EU AI Act対応(リスク管理・説明可能性・データガバナンス)、ポスト量子暗号の知見
根拠:NIS2の各国実装、AI Actの段階的適用、ポスト量子暗号が2025トレンド。 デジタル戦略puppet.com欧州議会ガートナー
D. プラットフォームエンジニア/SRE
- 必須:Kubernetes、Terraform/Pulumi、Argo CD、Backstage(IDP)、Observability(OTel/Tempo/Loki)
- 優位性:開発者体験(DevEx)設計、FinOps、セキュリティポリシーの「標準化→自動適用」
根拠:2025年は自動化・AI駆動・クラウドネイティブ拡大、IDP普及。 DuploCloudplatformengineering.orgDevOps Conference & Camps
E. ビジネスアーキテクト/DXプロデューサー
- 必須:業務可視化(BPMN/Process Mining)、データ価値設計、AIのROI設計、法規制・リスク整理
- 優位性:AIリテラシーの浸透、ガバナンス体制の設計、現場定着までのチェンジマネジメント
根拠:日本で最も不足感が高い役割。 IPA
3. 言語・ツールの“勝ち筋”
- Python:AI/データ/自動化/バックエンドで盤石。2025年も主戦力。 TechRadar
- Java:金融・大規模エンタープライズで継続需要。クラウド移行・再構築案件に強い。
- Rust:高性能×安全性領域(エッジ、分散システム、Wasmtime/WASI周辺)で差別化。“最も好まれる”言語の地位が武器。 Stack Overflow
- PostgreSQL:最も利用されるDBの地位。アプリ×分析のハブとして学ぶ価値が高い。 Stack Overflow
- Kubernetes+IaC:プラットフォーム標準。運用自動化・多環境展開・コスト最適化の中心技術。 DuploCloudDevOps Conference & Camps
4. 規制対応が“即・転職力”になる理由
- AI Act(EU)
2024/08/02施行 → 2025/02/02に禁止用途が適用、2025/05/02までに行動規範(GPAI向け)、2025/08/02に一部ガバナンス条項適用。準拠設計(データ来歴・リスク管理・評価)は即戦力スキル。 欧州議会IAPPalexanderthamm.com - NIS2(EU)
2024/10/17までに各国法制化。対象業種ではインシデント報告・サプライチェーン管理・脆弱性管理の整備が必須。クラウド/IDP側の組込みセキュリティが評価される。 デジタル戦略puppet.com
ポイント:海外グループ企業やEU市場と取引のある日本企業でも、規制準拠スキルは高評価。セキュアなAI実装ができる人材は希少です。
5. 中級者(Python・Java・VBA)向け:90日アップスキル計画
フェーズ1(Day 1–30):基盤固め
- Python×データ基盤:Pandas→DuckDB→DBTのミニパイプラインを構築(Sales→DWH→BIのETL)。
- PostgreSQL:パーティショニング、pgvectorで簡易RAG検索を実装。 Stack Overflow
- IaC入門:TerraformでVPC・DB・コンテナ実行環境を構築。
フェーズ2(Day 31–60):AI×運用へ展開
- LLMOps最小構成:RAG(Embedding→Retriever→Evaluator)を実装し評価レポートを自動生成。
- GitHub Actions+Argo CD:PR時のテスト→イメージ署名→デプロイまでCI/CD。
- セキュリティ:SBOM出力(Syft/Grype)、依存性スキャン、脆弱性修正パイプライン。
フェーズ3(Day 61–90):規制対応と実務化
- AIガバナンス:データ来歴・利用目的・説明ログを標準化(監査ビューをPostgreSQLに集約)。
- NIS2/AI Act準拠“風”ドキュメント:リスク評価、インシデントフロー、役割分担(RACI)をサンプル作成。 デジタル戦略欧州議会
- 可観測性:OpenTelemetryでトレース→エラーバジェット可視化、SLOを定義。
成果物(ポートフォリオ)
- 「AI検索付きナレッジ基盤(RAG+pgvector)」
- 「準拠を意識したCI/CD+監査ログ(署名/SBOM/リリースノート自動化)」
- 「SLOダッシュボード(アプリ/ETL/RAGの3系統)」
6. 職種別・面接で刺さる“語れる実績”テンプレ
- アプリエンジニア:「PostgreSQL最適化+K8s自動スケールで月間◯◯円コスト削減/P95レイテンシ30%改善」 Stack Overflow
- データ/MLOps:「合成データで学習データ不足を解消、再現性とプライバシーを両立」 TechRadar
- セキュリティ:「NIS2準拠を見据え、SBOM+脆弱性対応SLAを導入し平均修復時間を短縮」 デジタル戦略
- DX/ビジネスアーキテクト:「AI投資のROIを定義し、3ヶ月でPoC→本番。運用KPIは精度×回収率×リードタイムで管理」 IPA
7. 資格・学習リソース(“短期で効く”もの)
- クラウド基礎+セキュリティ:各クラウドのAssociate+セキュリティ系(Foundations/Associate)
- Kubernetes:CKA/CKAD(運用・アプリのどちらを伸ばすかで選択)
- データ基盤:dbt Fundamentals、Airflow基礎
- セキュリティ実務:SBOM/サプライチェーン、脅威分析(STRIDE/MITRE ATT&CK)
- AI:RAG評価・ガバナンスのハンズオン(モデル評価指標/データ来歴管理)
※資格は“入口”。ポートフォリオで実務変換できていることが最大の差別化です。
8. まとめ:2025年の“勝ち筋”は「AI×クラウド×ガバナンス」
- 生成AIを“運用できる”力(RAG・評価・監査)
- クラウドネイティブの自動化基盤(K8s/IaC/IDP/Observability)
- 規制・セキュリティに耐える設計力(NIS2/AI Act/ゼロトラスト)
この3点をPostgreSQL中心のデータ基盤とPython/Javaの実装力で繋ぎ、Rust等の新潮流で差分化できれば、転職市場での希少性と即戦力性を同時に満たせます。今から90日、“作って・回して・測る”に集中しましょう。