– Lubuntu/Puppy Linux/Bodhi Linuxを試してみた
古いPCや低スペックなノートパソコンを再利用したいときに役立つのが「軽量Linuxディストリビューション」です。
本記事では Lubuntu/Puppy Linux/Bodhi Linux の3つを実際にインストールして比較し、起動スピード・動作の快適さ・日本語環境の整備のしやすさなどをレビューします。さらに、インストール後にできる軽量化チューニングの実践方法も紹介します。
1. 軽量Linuxディストリビューションとは?
軽量Linuxとは、最新のハイスペックPCを想定せず、低いメモリ容量や古いCPUでも快適に動作するように設計されたLinux のことです。
軽量Linuxが求められるケース
- Windows XPや7時代の古いPCを再利用したい
- メモリ2GB以下のミニPCを活用したい
- ブラウジングや文書作成用にシンプルな環境が欲しい
2. 今回比較する3つのディストリビューション
2-1. Lubuntu
- ベース:Ubuntu
- デスクトップ環境:LXQt
- 特徴:Ubuntuリポジトリを使えるためアプリが豊富。UIがシンプルで初心者でも使いやすい。
2-2. Puppy Linux
- ベース:独自(複数エディションあり)
- デスクトップ環境:JWMなど
- 特徴:超軽量。USBメモリからの起動が高速。システム全体をRAM上で動かせるため、古いPCでもサクサク動く。
2-3. Bodhi Linux
- ベース:Ubuntu
- デスクトップ環境:Moksha(Enlightenment派生)
- 特徴:美しいUIと軽快さを両立。最低構成でも256MB RAMで動作可能。カスタマイズ性が高い。
3. 実機インストールで比較してみた
テスト環境:
- CPU:Core2Duo E8400
- メモリ:2GB
- ストレージ:HDD 160GB
起動スピード(電源ON → ログイン画面まで)
- Lubuntu:45秒前後
- Puppy Linux:20秒前後(USB起動でも速い)
- Bodhi Linux:35秒前後
メモリ使用量(起動直後)
- Lubuntu:約400MB
- Puppy Linux:約150MB
- Bodhi Linux:約300MB
体感の快適度
- Lubuntu:普段使いのブラウジングやLibreOfficeが安定して動作
- Puppy Linux:驚くほど軽快。ブラウジングと軽作業に最適。ただし日本語化やアプリ追加はやや上級者向け
- Bodhi Linux:UIが美しく、動作も軽い。設定好きには楽しいが、最初の学習コストはやや高め
4. 軽量化・快適化のチューニング術
インストール後にさらに軽量化する方法をまとめます。
4-1. 不要なサービスの停止
sudo systemctl disable bluetooth
sudo systemctl disable cups
(使わないデバイス・プリンタ系サービスは止めておく)
4-2. 軽量アプリに置き換える
- ブラウザ:Firefox → Midori / Falkon
- オフィス:LibreOffice → AbiWord + Gnumeric
- 音楽プレイヤー:Rhythmbox → Audacious
4-3. スワップ調整
メモリ不足対策として swappiness
を調整。
sudo sysctl vm.swappiness=10
(値を下げるとスワップ使用が減り、体感速度が向上)
5. まとめ:どのディストリビューションを選ぶべきか?
- 初心者・安定性重視 → Lubuntu
- 超低スペックPC・USBで持ち運び → Puppy Linux
- 軽さ+美しいUI+カスタマイズ性 → Bodhi Linux
古いPCを「眠らせておく」よりも「軽量Linuxで再利用」した方が、学習用にもサブPCとしても有効です。
ぜひ一度インストールして、快適な軽量Linuxライフを試してみてください。